おくりびとの広末涼子
平凡な妻であり、納棺師の仕事に嫌悪感を持っていたのが、おくりびとであることに理解を示し、受け入れる広末涼子は観客にとって近いかもしれません。
おくりびとの広末涼子について。おくりびとの中で驚かされるのは、広末涼子のあっぱれなまでの「普通の妻」ぶりで、実際にまだ結婚していた頃はそうだったのかと想像させます。着実に演技力をつけて、一番役者が難しいといわれる「普通の人」を演じた広末涼子の役者としてのキャリアは、おくりびとでさらに上がっています。デビュー当時は透明感のある美少女ぶりが注目されましたが、大人の女性に脱皮してからは、おくりびとのような演技力を必要とされる作品に出演が続いています。おくりびとの中で驚かせるのは、夫の真実の仕事を知った広末涼子の瞬間のヒステリックな演技は、ファンを驚かせるかもしれません。おくりびとの中で広末涼子の演じている妻は、お通夜・お葬式という悲しみの現場の当事者ではないがために残酷になる役柄です。広末涼子は大学中退やデキ婚、そして離婚などでバッシングを受けましたが、それをバネにするように演技力をつけ、おくりびとで主人公の悩みになる妻を演じています。なかなか夫の仕事について理解を示さず、逆に嫌悪感をあらわにしている広末涼子の演技はおくりびとの中で「おそらくは自分もそうなるかもしれない」と思わせます。おくりびとでの広末涼子は、あくまでも夫に経済的に頼りっきりでありながら、わがままなところのある妻を演じています。それだけリアルに「普通の人」を演じながら、持ち前の透明感が損なわれていない広末涼子のおくりびとでの存在感は不思議なものです。
広末涼子の演じる妻は次第に夫の仕事について理解を示していく役柄ですから、おくりんびとの物語の中で観客に一番近い立場かもしれません。